日本芸術刺青歴史

刺青歴史
2018年12月25日

日本芸術刺青歴史

異端の象徴か、はたまた美麗な芸術か。日本の刺青の魅力と歴史

棘のあるものほど美しい。危うさを併せ持つ美しさというのは、どうして私たちの心を惹きつけるのだろう。そこには言葉では説明できない、本能的な美意識のようなものが存在するからなのか。

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photo credit: bradleyeldridge via photopin cc

今日は、少し変わった切り口で日本独自の文化を紹介したいと思います。

それは、刺青

刺青と聞くと、日本ではあまり良いイメージを持っていない方が多いかもしれません。しかし、独自に発展した日本の刺青の文化は、世界では類を見ないほど高い芸術性を持っているのです。

いつ刺青は生まれたのか

そもそも、刺青とは一体いつ頃生まれたものなのでしょうか?

刺青の歴史は、確認されている最古のものですと、なんと5,300年前にまで遡ります。

写真引用元:Wikipedia_入れ墨

アルプスの氷河から発見されたアイスマン(*1)の身体に刺青のような文様が見つかっており、これが世界最古の刺青だとされています。また、1993年に発掘された2,500年前のアルタイ王女とその護衛戦士のミイラは、その腕などにほぼ完全な形の刺青が残されていたそうです。

私たちの想像を遥かに超えた、遠い過去から刺青というものは存在していたのです。

「アウトロー」とされる日本の刺青文化

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photo credit: Nationalmuseet via photopin cc

龍や花などの華美なモチーフや、お洒落としての刺青は、江戸時代中期(18世紀頃)に広まったと言われています。

当時は犯罪を減らす目的の刑罰として刺青が取入れられましたが、後に大工、左官、火消し、駕篭かき等の職人に好まれるようになり、広く普及するようになりました。

その後、やくざや暴力団が自らの組織帰属の象徴や威勢を示す手段として刺青を施すようになりました。そのため、未だに「刺青=アウトロー、反社会的」といったイメージや偏見が根強いのです。

写真引用元:Unbetitelt

最近でこそ、歌手や芸能人、スポーツ選手などで刺青を施している人も見られるようになりましたが、テレビに出ているときは隠したり、他人に見せてはいけないものの様に扱われています。

刺青そのものが持つ美しさや繊細さ、技術の高さよりも、特別な人たちが好むものだというイメージが先行し過ぎているようにも思われます。刺青を入れる動機や背景が、過去のそれとは変化してきているのに、固定された先入観だけが未だに私たちを取り囲んでいるように思います。

世界的に評価の高い日本の刺青技術

しかし、刺青に対するマイナスイメージとは裏腹に、海外の欧米諸国やアジアでは、日本の刺青はJAPANESE TATTOOとしてとても人気があるのをご存知でしょうか? 鯉や桜、龍や虎などのモチーフもさることながら、人肌に施す技術力も抜きん出ているのです。

日本の刺青文化が一目置かれていることを象徴する、こんなエピソードがあります。

1867年、サムライの時代に一旦終止符が打たれ、先進国の仲間入りを果たそうと政府は髷や帯刀と共に刺青も禁じようとしました。しかし、日本の開国後に訪れた人々は、彼らの体に刻まれた刺青を見て、その美しさに驚嘆したそうです。そして、来日の記念に日本の刺青を彫るようになりました。その中にはなんと、イギリス皇太子やロシア皇太子もいたそうです。

今考えると、なんだか信じられないような話ですが、日本の刺青が純粋な芸術作品のひとつとして評価されていたということだと思います。筆者がオーストラリアに住んでいた頃、訪れた図書館の受付の女性の腕がタトゥーだらけだったことに、軽いカルチャーショックを受けたことがあります。けれど見た目がどうであれ、表現方法は多種多様です。刺青も、単にその人の一部を表すものでしかないのです。

刺青を入れている人が、注意するべきこと

Pict by 長島リゾート

そうは言っても刺青に対するマイナスイメージが根強い日本。おしゃれの一環として気軽に施したタトゥーが、思わぬ障壁になることも少なくありません。

例えば、一部の温泉やプールなど公共施設では、刺青をした人は利用できないことがあります。刺青は反社会的な思想や言動の持ち主であることを表し、一般人を不用意に威嚇することになるという考え方からなのでしょうが、これは日本を訪れた外国人が驚くことのひとつだと思います。

全ての施設で利用禁止というわけではありません。しかし、前提知識として「そのようなことがあるかもしれない」と知っておいた方が、無用なトラブルを避ける事が出来ると思います。

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刺青が体現するクール・ジャパン

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photo credit: /amf via photopin cc

しかしながら、刺青がもともと芸術品として生まれたものではないもの、ネガティブな側面を持ったものだったことが、独自に進化する要素となり、「美しいけれど、近寄りがたいもの」というある種の孤高さのようなものを獲得したのではないでしょうか。

日本が誇る美しさというのは、クール・ジャパンに代表されるような、ポップで目立つものばかりではありません。むしろ、歴史があるけれど表立っては出てこないものにこそ、はっとするような美しさが秘められているものです。

日本人が持つ繊細さと器用さは、日本文化の至るところに見受けられますし、刺青とて、例外ではありません。ひけらかすものではないかもしれませんが、必死に隠さなければならないようなものでもないのです

一度先入観を捨てて、純粋に刺青の美しさを凝視してみることが、新しい発見に繋がるかもしれません。

(*1)アイスマンとは、1991年にアルプスにあるイタリア・オーストリア国境のエッツ渓谷の氷河で見つかった、約5300年前の男性のミイラの愛称。(Wikipediaより)
参照:刺青の歴史TATTOO SPOTタトゥーの持つ意味合いの移り変わり

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